昨日の記事ではざっくりとした取り付けだけでしたが、
今日は詳細を記載しておきます。
私は素人で、こんなもんだろうって感じでやったので
正解かはわかりませんので悪しからずw


このキャブ交換に至った経緯は、
ボアアップして薄いと感じたのと、
最高速が思ったより伸びなかった事です。
この下リンクがボアアップした内容

カブ88ccボアアップ - Why don’t you do your BEST?


以前までの変更点は、
武川のSステージ ボアアップキット88cc(Hシリンダー)
【排気量】・・ 49.46cc(39×41.4mm)→87.8cc(52×41.4mm)
【圧縮比】・・10.0→11.5:1
【Fスプロケ】・・13丁→15丁
【プラグ】・・NGKのCR6HSA→CR8HIX


そして今回は、
【キャブ】ケイヒンのPB13→PC20
ポート加工


マニホールドも交換した方がいいのですが、
ちょっと高いので純正を加工しちゃいます。
ボルト穴を加工するので、耐久性は落ちますが・・・
壊れたら交換しましょうw


作業開始!
プラグを見てみると、やはり真っ白で薄かったです。


さくさくっとベトキャリやカバーを外して、
キャブを取ります。


左がPC20で、右が純正キャブPB13
比べてみると7mmってかなり違いますね〜


ヘッドも取るのですが、カムチェーンとカムスプロケは位置が
ズレないように結束バンドで止めておくと組む時に楽ちんです


さて、これに合わせてマニホールドを拡大します。
IN20mmのOUT15mmにします。
OUT側の15mmはなんとなくですw


なぜ、ポートの形状は20mmでINからOUTまで統一しないのか。
これは途中を絞ることで流速が速まり高回転で混合気が
燃焼室に入りやすくなって、高回転域がきれいに伸びるのです。
水をまく時ホースの先を絞ると水が勢いよく飛ぶのと同じ感じです。


もちろんマニホールドだけではダメなので、
ヘッドの方も加工します。
吸気側はマニホールドに合わせて15mm
排気側18mm。
排気側はキャブに合わせて20mmにしようと思いましたが、
とりあえずの寸法です※


アルミテープで型を取って作業すると楽に口径を合わせられます※



加工は電動ドリルと
500円で買ってきたロータリーバー


(実際はもっとちゃちいw)


でやってみました。
ダメだったら、ペーパーバンドも使おうと思っていましたが
平気でした。

ちょと荒削りだけど、INポートの表面仕上げは
キャブ車の場合鏡面にするより少々荒れている方が
混合気が混ざっていいようです。
めんどくさいので、元から鏡面にする気はありませんでした。
OKです!w


あとはサクサクっと組み上げて完了。


ここからはキャブの調整です。
キャブ調整の為には構造を知っておかないといけません。
ちょっと良い図があったので拝借w


(1)メインジェット
(2)パイロットジェット(またはスロージェット)
(3)ジェットニードル
(4)クリップ位置
(5)スロットバルブ

それぞれを解説しましょう。
(1)メインジェット
アクセル全開付近の燃料の量を決めます。
今回は私は95番を使用しましたが、 数字が大きければ燃料が濃くなり、逆に小さいと薄くなります。


(2)パイロットジェット
アイドリング付近の燃調を決めます。
ノーマルキャブはこれが固定式になっていて
変更できないのです。
PC20には34番が初期で付いていました。


(3)ジェットニードル
アクセル中開度付近の燃調を決めます。
ジェットニードルのセッティングは
(4)のクリップ位置で行います。
あまりイジリませんが、このニードル自体にも番数があって、
テーパー(針の鋭さ、角度)などの違いにより燃調を変化できます。
ここは初心者は触らない方がいいみたい。


(4)クリップ位置
(ニードル段数) アクセル中開度の燃調を決めます。
このクリップの位置を上下に変化させる事により、 セッティングします。
クリップを上に移動すると燃調が薄くなり、
下に付けると燃料が 濃くなります。


(5)スロットバルブ
混合気を発生・制御させる所で、
この周辺を「ベンチュリ部」とも言う。
アクセル本体に直結していて、これを閉じると止まり、
開けると回転が上がります。
ちなみに、 ここの部分の吸気口断面面積が
キャブレターの大きさを示します。
今回はPC20なので20φ(20パイ)20mmです。
これが大きいと最高主力は上がりますが、
逆に低速側がパワーダウンしたりするので
エンジンの仕様に合った口径のものを選ぶのです。



上記のアイドリングは、アクセル全閉時の回転数を決めます。
ここは燃調にはほとんど全く関係有りません。
このネジを締めるとアイドリング回転数が上がり、
緩めるとアイドリング回転数が下がります。


エアースクリュー:アクセル全閉付近の燃調を決めます。
2つ上の図にありますが、
ここはパイロットジェット(スロージェット) から出る
混合気の空気の量を決めます。
このネジを締めるとアイドリング付近の燃調が濃くなり、
緩めると薄くなります。
一般に、これを一番締めた状態から1.5回転戻しが標準とされます。



どうでしょう。
こう見ると、キャブって精密でありますが簡単な構造ですね〜


では、セッティングです。
調整項目としては
メインジェット番数
クリップ位置
スロージェット番数
エアースクリュー
マフラー
くらいでしょうか?


ノーマルキャブはオールシーズンOKに作られていますが、
ビックキャブの場合
温度、気圧、湿度によって調整が必要です※


理由は、
温度
気温が高ければ酸素密度が低くなって混合気が濃くなり、
気温が低ければ酸素密度が高くなって燃調が薄くなります。
って事は、冬は燃調を濃くしてやる方がいいようですね。
ハーレーでTCFIの場合、
夏場に薄くするとオーパーヒートするので逆にしています。


気圧
気圧が高いと酸素密度が高くなって、混合気が薄くなり、
気圧が低いと空気が薄くなるので混合気が濃くなってしまいます。
標高の高い所へ行くと燃調が狂って走りにくくなるのはこの為。

湿度
湿度が高いと空気中の酸素密度が下がり、混合気が濃くなります。
雨の日にカブりやすいのは、エアフィルタが水滴で詰まり、
燃調が濃くなるのと同時に、湿度によりさらに濃くなるからです。
カブの純正エアクリは雨の日に強いです※



これくらい把握していれば、もう調整できるでしょう。

(1)準備
キャブを新品に入れ替えたら、
アイドルストップスクリューを緩め、
アクセルケーブルの遊びをチェック。
そして、アイドリングするようにアイドルスクリューを回して
適当に調整しましょうw

(2)暖機
エンジンを暖めないとセッティングは出来ません。
基本はアイドリングで暖機するのですが、
ちょっと走った方が早い(エインジンに良くない)
ここでエアスクリューを回し、
最も回転が高くなる位置に調整します。
この時、回転戻し量が3回転以上ならスロージェット番数を下げて、 逆に全閉〜1/2回転戻しならスロージェット番数を上げてやります。
今回は特に問題なかったようです。
ここでアクセルを素早く開けてみて、息付きしたら薄いです。
その場合はちょっと締めて、適当に調整します。
暖機前後でアイドリングの燃調も変わるので、安定した所を探します。


(3)実走行(中低速)
アクセル半分まで開けた時、もたつきやバラつきが無く、
スムーズに回転が上昇すればOK。
この時、主に調整するのはジェットニードルのクリップ位置で、
濃い方(5段目)から薄い方へセッティングを出していきます。
この時、プラグをチェックしてみるのですが、
真っ白や真っ黒じゃなければOKでしょう。


(4)実走行(中〜高速)
これも濃い方から薄い方へとセッティングを出していきます。
カブ88ccの場合メインジェット95番くらいから
やるのがいいと思います。
しかし、高回転でセッティングが出ても、
中低速側に影響が出てくる事があるので
再び中低速を見直します。


(5)実走行(その他)
走り続けると、熱ダレでエンジン温度が上がりすぎ
パワーが下がってしまう事があります。
こんな時は冷却系を強化するか、
少し濃くして温度を押さえたりします。
濃くしたら元も子もないので、冷却系強化がベスト。
せめてオイルポンプは交換した方がいいかな〜
私はやってないけどw



そんな感じで今のセッティングは、
【気候】気温5〜10℃の湿度低め
【メインジェット】85番
【パイロットジェット】34番
【ニードル】3/5
【エアスクリュー】1.25戻し
これで走行とアイドルはおちつていますが、
アフターパンパンですw


とりあえず動画撮りました〜
ちょっと風があって聞き取りにくいかも^^;
手袋でナンバー隠しているのですが、片方落ちてます。
そっちが気になりますよねw
でも、レスポンスはかなりイイです!


あと、0km/hからの加速。
60km/hまでの到達スピードは12秒と、
キャブ交換する前より1秒程縮まりました◎
風なければ11秒台かな〜?ざっとの到達時間は
20km/h 3秒
40km/h 6秒
50km/h 9秒
60km/h 12秒


CDIを交換すればもう少し違うかもしれませんが、
そこまではいいかなw
最高速もゆわkm/hくらいでるようになったし、満足じゃ!
オイルポンプが5,000円くらいだから変えたいけど、
やっても夏場になるでしょう。


最後に、合計費用:29,000円
(88ccボアアップキット:20,500円)
スプロケ:1,000円)
イリジウムプラグ:1,500円)
(シックネスゲージ:1,000円)
ケイヒンPC20キャブ:2,500円)
(カソリンコック:1,000円)
(ヒューエルホース:1,000円)
(ロータリーバー:500円)


目標の3万円以内でできました!
これは、あくまで工具が揃ってる環境下なので、
工具がないとツライところがあるでしょうね。


いやー、4ミニは楽しい!
余裕ができたら、またイジって遊びたいですね^^